子どもができた時の不安は何でしょうか。それは、出産後の育児をおこなう場合、長期の休暇が必要となるため、退職を余儀なくされ、収入が無くなることも不安の一つではないでしょうか。しかし、この不安を一掃してくれるのが「育児休業制度」、「産後パパ育休」なのです。今回は、そのような制度を深堀していきます。それらの制度を知ると出産に前向きになれますよ。
「労働者が、原則としてその1歳に満たない子を養育するためにする休業」を休業の定義としています。
育児休業を取得できるのは以下の条件に該当する人となります。
育児休業を取得できる期間は、原則として子どもが1歳に達するまでの連続した期間です。
なお、配偶者が育児休業をしているなどの場合は、子どもが1歳2ヵ月に達するまで出産日、産後休業期間、育児休業期間、産後パパ育休期間を合計し、1年間以内の休業が可能となっています。
【取得期間を延長する場合】
1歳6ヵ月までの育児休業は、以下の要件に該当(3.cに該当する場合は3のみ)する場合に取得可能です。
育児休業を取得できるのは子ども1人につき原則2回となっています。
しかし、以下の事情が生じた場合は、再度育児休業が取得できます。
育児休業を取得するための手続きは、書面等で事業主に申し出ることが必要で、1ヵ月前までにおこなわなければなりません。ただし、出産予定日より前に子どもが生まれたなどの事由が生じた場合は1週間前までとなります。1歳以降の休業の申出は、2週間前までで、1歳到達日(2歳までの育児休業の場合は1歳6ヵ月到達日)の翌日以降は1ヵ月前までとなります。
ほか、事由により繰り上げや繰り下げ、撤回が可能です。
雇用保険の被保険者が、原則として1歳未満の子どもを養育するため育児休業を取得した場合、一定の要件を満たすことにより「育児休業給付金」を受給できます。金額の計算式は以下のとおりです。
(産後パパ育休=出生時育児休業)
「産後パパ育休=出生時育児休業」は、産後休業をしていない労働者が原則出生後8週間以内の子を養育するための休業です。
育児休業を取得できるのは以下の条件に該当する人となります。
産後パパ育休の取得期間は、原則として子どもの出生後8週間以内の期間内で通算4週間(28日まで)
子ども1人につき2回で、2回に分割する場合は、まとめて申し出をおこなうことが必要です。
育児休業を取得するための手続きは、書面等で事業主に申し出ることが必要で、2週間前までにおこなわなければなりません。ただし、出産予定日より前に子どもが生まれたなどの事由が生じた場合は1週間前までとなります。ほか事由により、繰り上げや繰り下げが可能です。
産後パパ育休の制度を利用して休業している間でも就業することは可能です。ただし休業中に就業可能な労働者を労使協定で決めている場合に限って、労働者が同意した範囲で可能となります。出生時育児休業給付金は、休業期間中の就業日数が最大10日以下の場合に支給されます。
出生時育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が、産後パパ育休を取得した場合、一定の要件を満たすことにより「出生時育児休業給付金」を受給できます。28日が限度となっています。金額の計算式は以下のとおりです。
賃金開始時賃金日数×出生時育児休業をした日数(上限28日)×67%
出生時育児休業給付金を支給した日数は、育児休業給付金の支給率67%の上限日数である180日に通算されます。
なお、出生時育児休業給付金は、原則男性への支給に限られ、女性への支給がおこなわれるのは、養子の場合に限られます。
今回は、育児休業と産後パパ育休についてのお話をしてきました。子どもを出産して間もない時期は、子どもから目を離せません。昔のように1世帯3世代が同居するような時代なら、おじいさま、おばあさま達に子育てを任せられましたが、そのような時代ではなく自身が出生時から子育てを行なうことになるのです。以前は、子育てで長期休暇を取得できるような環境ではなく退職を余儀なくされていましたが、育児休業制度はその心配を払拭してくれました。そのような制度を活用しながら、楽しくて将来を明るくしてくれる充実した子育てをおこなっていきましょう。